2017年6月13日、特定外来生物ヒアリの日本初上陸が確認されたとの報道がありました。
まだ定着するにいたっていませんが、
愛犬家にとって、飼い犬がヒアリに刺されることはないのか?
という心配のタネがひとつふえたことになります。
そこで、犬とヒアリの問題について考えてみました。
もくじ
ヒアリはどんなところにいるの?
ヒアリが日本に定着した場合、どんなところでよく見られるようになるのでしょうか。
ほかの国の例からすると、
家の庭、耕作地、河川敷、道路、公園、ゴルフ場、果樹園などです。
また上陸地点の波止場や資材置き場なども入り込みそうです。
これらの場所はみな、明るくひらけた環境です。
そして、どちらかというと、これは日本ではふつうの環境で、
よりによって愛犬家ならふだんから飼い犬と遊び、散歩にいくような場所ばかりです!
愛犬家にとって、ヒアリの日本上陸が決して人ごとの話ではないことがわかりますね。
犬がヒアリに刺された時の症状と対策法
いつものように飼い犬と散歩しているとき、
犬が飛び込んだ草むらやその近くでいつもと違うことがおこったとしましょう。
体を掻く程度の軽い症状の場合から、ひどい場合には急な興奮状態だったり、
よだれをながす、あるいはあえいだり、吐いたり呼吸困難だったりという感じのことです。
そんな場合は、飼い犬がヒアリに刺された可能性があります。
その時、まずすべきことは、
犬をリードでつないでいるばあいは、すぐに草の生えていない道のほうに犬を誘導しましょう。
リードでつないでいなかったばあいは、道まで呼び寄せて、すぐにリードをつけましょう。
このとき大事なことは、
・飼い主さんが飼い犬のいた草むらなどには入らない(ヒアリの巣があるかもしれません!!)
・飼い犬のからだに直接さわらない(ヒアリがついているかもしれません!!)
ことです。
次に、飼い犬の状態と、飼い犬にヒアリがついていないかどうかを観察しましょう。
手足、つま先、頭部など、
毛も少なく、また最初にヒアリと触れてしまいそうな箇所を中心に見るのがいいでしょう。
犬についたヒアリの数が少ない場合の対処法
ハンカチ、タオルなど身近にあるものを使って直接ヒアリに触らないように気をつけ、
犬のからだからヒアリをそっと離し、棒などで押しつぶすなどして殺しましょう。
*ヒアリを流すのは危険なのでやめましょう。
飼い犬の身体についているヒアリが確認されなくなったら、
かかりつけの動物病院に行ってみてもらうといいでしょう。
飼い主が犬を手当する場合
①重曹をペースト状になるまで水と混ぜ合わせて、患部に塗ってあげましょう。
②患部に包帯などの布をかぶせる(靴下でもOK)*犬が患部をなめないようにすることが重要
たくさんのヒアリが飼い犬についていた場合の対処法
もし、たくさんのヒアリが飼い犬についていたばあいは、どうしたらよいでしょう。
からだについているヒアリを全部とるのは困難でしょう。
無理にとろうとすると、
かえってヒアリを興奮させて犬の被害を増大させてしまうことも考えられます。
急いで獣医師さんに連絡し、指示をあおぐのがよいですね。
なお、たくさんのヒアリがついている犬をつれまわすのは、
結果的にヒアリをまきちらすことにもなります。
ですので、事態がおちつくまで、現場からあまり動かないようにすることも大事なことです。
くわえて、とりあえず「地元の役所か保健所」などに
事故発生状況や場所についてすぐに連絡をいれておきます(連絡先は後述のとおり)。
きっとすばやい対応をしてくれることでしょう。
ちなみに、家の庭にヒアリがいたばあいは、
飼い犬のためだけでなく、自分たちのために、行動を起こしましょう。
犬のヒアリ対策に虫除けスプレーは効くの?
ヒアリも虫除けスプレーの成分がきらいかもしれません。
ですが、飼い犬がヒアリの被害を受けるのは、
犬の方から活動中のヒアリにふれてしまったり、巣(塚)を踏んだりしたときです。
したがって、蚊などようにヒアリの方から犬に寄ってくることはありませんから
ヒアリに刺されないようにするための予防策として
虫除けスプレーを使うことは、あまり意味がなさそうです。
それに対し、
殺虫スプレーは、飼い犬にまとまわりついてしまったヒアリを除去する際、有効に働くでしょう。
とくに、ヒアリの数が多いばあいは、殺虫スプレーの力を借りざるをえない場合もあるかもしれません。
ただし、そのばあい、飼い犬がからだについた殺虫剤をなめないようにしておくことも必要です。
犬がヒアリに刺されたと思ったらこちらに連絡を
飼い犬がヒアリに刺されたとおもったら、
現場におけるさらなる被害を防ぐためにも、すぐに地元の役所や保健所に連絡を入れておきましょう。
また、国レベルでは、現在、環境省が、ヒアリ専門のヒアリ相談ダイヤルを開設しています。
ヒアリ被害かどうか不明確なばあいも含めて、こちらにも連絡しておくとよいとおもいます。
なお、情報がだぶらないようにするために、
地元の役所などに連絡ずみであれば、連絡ずみであることもきちんと伝えておきましょう。
[ヒアリ相談ダイヤル: 0570-046-110、午前9時~午後5時]
詳しくは「ヒアリ相談ダイヤルの開設について」(2017/9/8環境省)
http://www.env.go.jp/press/104475.html
まとめ
- 飼い犬がヒアリに刺されたかなとおもったら、犬についたヒアリの状況をきちんと把握します。
- ヒアリの被害状況によって、飼い主さんが自分で対処できるばあいと対処の難しいばあいがあります。適切に判断しましょう。
- 獣医師さんとの連携を密にとるようにしましょう。
- ヒアリの被害を広げないよう、すぐに地元の役所や保健所に連絡をしましょう
飼い犬がヒアリに刺されるような状況は、
私たち人間自身にとっても放置しておけない状況であるということですので、
しっかりと対策をとりたいものですね。